社員インタビュー
エンジニア対談

Profile

エンジニア/2019年中途入社/K.T.
入社当初はアプリ開発のプロジェクトマネージャー(以下、PM)やAPIビジネスのコンサル案件を担当。2020年の管理職への転向後は、PMも担当しながらチーム運営に従事。現在は、Web3(ブロックチェーン技術を用いた次世代の分散型インターネット)技術を用いた案件も担当している。
バイク、キャンプをメインに、映画、読書、ゲーム・アニメなど多趣味。子育てもそろそろ終わりを迎えるので、最近は自分ひとりの時間を充実させることにも夢中。

エンジニア/2014年中途入社/M.Y.
入社以来Webアプリケーション開発や、大規模データを扱う分散システムのアーキテクトとして、インフラ構築からアプリ開発まで担当してきた。
2020年に管理職へ転向。チームマネジメントを担当しつつ、案件の提案見積、各案件のレビュー、技術面のフォローを中心に担当している。
いわゆる「本の虫」で、古今東西の名作から技術書まで、幅広いジャンルを読む。最近は、図書館や近所のカフェで子供と一緒に勉強をすることが多い。

※所属は2023年8月インタビュー時点

ーお二人が所属するプロフェッショナルサービス サービスライン(以下、PS SL)について教えてください

K.T.・M.Y.:PS SLでは、お客様の依頼に基づきシステム開発を行うというSI事業をメインとして行っています。

<PS SLのサービス>
  • ① インフラSI領域・・・セキュアな統合認証システムの構築。大学様、研究所様での実績多数
  • ② コンテナプラットフォーム領域・・・コンテナ基盤関連の構築、技術支援
  • ③ アプリ・API領域・・・フルスタックなシステム開発/API基盤開発の技術コンサルティング
  • ④ サイオスOSSよろず相談室・・・150種類以上のOSSをサポートし、OSSに関する「困った」を解決

中でも私たちが担当しているのは③ アプリ・APIの領域です。
「アプリ領域」ではインフラ、ミドルウェアを含めた全体アーキテクチャの方式設計からフルスタックでクラウドネイティブなシステム開発を行っているのですが、特定の業務領域は定めず、技術的に先進的でチャレンジのしがいのある案件を中心に開発しています。開発工程は最上流(コンサルティングや実現性検討等)から下流(実装・テスト等)までの全工程を、準委任あるいは請負契約、内製開発にて行っています。

「API領域」では「API基盤」「データ連携基盤」のような名のつく大型の基盤開発プロジェクトで技術コンサルティングを行っています。APIマネジメントを中心にビッグデータやストリーミングなどの分散処理技術、CI/CD、決済など、幅広いOSSをベースとしたエンタープライズ製品を用いて、上流工程を中心に基盤全体あるいは特定領域のスペシャリストとしてお客様のシステム構築をサポートしています。

私たち二人はリーダーとして、このチームの案件や組織運営で長らく苦楽を共にしてきているのですが、話さない日はなくて、家族より会話量が多い日もあります(笑)

Interview

「このチームにいて良かった、楽しい」と思えるチームを目指して

ーお二人ともチームを引っ張っていく役割をされていますが、日々どのような意識で業務に取り組まれていますか?

K.T.:まずは各PM陣が進行してくれているプロジェクトが、いわゆる”炎上”をしないよう常に気を付けていますね。技術的なところはM.Y.が見てくれるので、私はプロジェクトマネジメントの観点から。プロジェクトの進め方として正しいのか、品質・納期・顧客対応などの面で問題ない進行ができているかや、万一、”炎上”が起こってしまった際の、プロジェクトの立て直し、お客様への対応・接し方なども含め、お客様に迷惑をかけないようにするというのは、私がよく見ているところですね。

M.Y.:私自身がチームマネジメントで大事にしていることは、「こういうことをやっていこう」と全体の方向性は作りつつも、具体的な行動や計画はメンバーが自発的に創意工夫し、動いていけるように、各自の経験・スキルを踏まえて適宜任せていくことです。
サイオステクノロジー(以下、STI)や、PS SLにいることで自分のエンジニアとしての価値を高めていってほしいなと思っているので、メンバーにはどこでも通用する、どこに行ってもやっていけるスキルを身に付けてほしいですね。ただそうなるとみんな転職していってしまうので(汗)、どこでもやっていけるけど「このチームだからできるよね」「このチームだからより力を発揮していけるね」と一人一人に思ってもらえるチームとなるよう、日々試行錯誤をしています。

ー技術面だけでなくチーム全体の意識も支えているんですね。チームをまとめる中で大変と感じることはありますか。

M.Y.:一番はPS SLの責任者であるボスからの無茶ぶりですかね、今回のインタビューみたいな(笑)

K.T.:そうですね(笑)

M.Y.:色々ありますけど、一つ苦労したのはコロナ禍でフルリモートになったことですね。業務はスムーズに移行していったんですが、コミュニケーションの問題で苦労しました。それまでの管理職って、同じ場所にいて実際の仕事の様子から得ていた情報はすごく多かったと思います。若手も、先輩社員やその仕事を実際に見ることで学びの機会を得られていたと思うので、そこをどうフォローしていこうかというのは悩んだところです。
人数についても同様ですね。メンバーが30名を超えてきて、少人数だったときにはなかった色々な価値観に触れたり、スキル・経験のある領域にも幅が出てきたり。そういった際にマネージャーとしてメンバーたちとどう関わっていくかは悩みましたし、今も模索中ですね。K.T.はどうですか?

K.T.:全くその通りだなと思いますね。それこそ10人くらいであればみんな気心が知れたという感じになるんですが、今のように30人を超えてくると、一人一人への細かい応対や、一緒になって考える時間を持つというのが「これまで通り」とはいかなくなってきます。できる限りやろうとはしているんですが。そういった中でメンバーに「このチームにいて良かったな」、「自分がチームにいる意義がある」と感じてもらえるようにするにはどうしたらいいか、というのはすごく難しいなと感じるところですね。
価値観も多様化していて、例えばエンジニア集団だからといって「新しい技術にさえ触れていれば私たちはみんな幸せ」というわけではありません。本当に技術が好きで、こちらで細かく指示をしなくとも自ら新しい技術を模索する人や、新しいプロジェクトに入って前向きにガンガンやっていきたい!という人もいれば、プロジェクトで割り当てられた範囲までの仕事を淡々と着実にこなす堅実なタイプももちろんいます。それら多様な考えを持つメンバーが、チームとして一体感を持ちながら「このチームにいて楽しいな」って思ってもらうためにはどうしたらいいんだろうなということは、一番考えるというか悩むというか…答えは出ていないんですけどね。

技術フラッグシップであり続けることがミッション

「技術フラッグシップな集団へ」というミッションをPSSLで掲げられていますが、それに関して現在の取り組みを教えてください

M.Y.:まずは全体としてエンジニアの自己成長と事業成長のベクトルを合わせるために、定期的な1on1によって個人と全体のOKR(目標設定・管理のフレームワーク)のベクトルを定めていっています。

そして新技術のキャッチアップへの取り組みや、技術的な成長のためのチャレンジ案件、技術フラッグシップな集団に欠かせない一人一人の主体性と、エンジニアカルチャーの醸成に取り組んでいます。

具体的には外部発信に力を入れていて、ブログ記事の執筆PSのライブ配信(YouTubeでの技術的な情報発信)、カンファレンスやセミナーの登壇などの発信を、類似のOKRを掲げているメンバーが集まり、分科会活動として主体的に進めてもらっています。

あとは今年から始めた技術書の輪読会。若手メンバーの運営で、技術書の各章を持ち回りでまとめた内容について発表し、その模様や学びをブログとしてアウトプットしていっています。エンジニアが魅力に感じられる主体的なエンジニアカルチャーの形成に繋がる取り組みだと思っています。

そして実際のところ、「取り組みの結果、成長の実感が持てているのか」というところは非常に大きなポイントになります。この点については1on1での会話や、プロジェクトの成果報告会、四半期ごとの個人OKR状況共有などで、自分自身のやってきたことを言語化することで実感できたり、周りからのフィードバックで気付きを得たりというような形で実現できるよう進めています。

K.T.:こんなことをもう3年ですかね、二人で相談しながら進めてきました。
経過として、主体的風土・文化の形成は結構変わってきたなぁという実感はありますね。
OKRの分科会や輪読会みたいなものって、上長に指示されたからやるというケースが一般的かなと思うんですよね。でも「勉強会をやりたい!」と自主的にやっていたりだとか、イベントやセミナーでの登壇、ブログやPSライブ配信も、こちらから指名せずとも「やりたい!」とすぐ手が挙がるみたいな感じになってきているんですよ。

主体的な文化の形成という点は、ここ1〜2年くらいで大きく変わってきているかなと思います。決してM.Y.と私の力だけではないんですけどね。みなさん一人一人が考えて変わっていった結果だとは思っていますが、そういう意味では、この取り組みに対する手ごたえ、成果といいますか…大きな変化はあったかなと思います!

M.Y.:外部発信とかの主体性はかなり生まれてきていて、ブログの投稿数もかなり伸びているし、一人当たりの投稿数も増えてますよね。

K.T.:ですよね。その甲斐もあってか、採用面接などの場で「SIOS Techブログを見ています」と言ってもらえることも増えてきていますし。なので、会社の成長というか事業や広報的なところでもプラスになっているのかなと考えています。

ーエンジニアの価値を高めるという観点でも、一人一人の発信力は大切ですよね!
ーPSSLとしては今後どういうところを目指していきますか。

K.T.:技術的な我々の立場として話すと、先ほどから言っている技術フラッグシップな集団ですね。新しい技術を次から次へと吸収し、しっかりと活用していくこと。単なる技術オタクではなく、「お客様にとって役立つシステム」を構築する為に新しい技術を使い、お客様に価値あるシステムを提供する。結果としてお客様には事業的な価値を得ていただけますし、我々としても新しい技術を習得できる。
そこで得た技術を使い、価値ある別の何かをさらに作っていくことができるというのが、我々の技術フラッグシップな集団の価値なのかなと思います。そういうところを目指して日々努力していきたいですね。

M.Y.:まさにその通りかなと。エンジニアとしてありがたいことに、PS SLのトップが日頃からPS SLは「技術フラッグシップであり続けることがミッション」と発信しています。そのために「常に新しいチャレンジをしていく」ことを我々はエンジニアとして大切にしていきたいなと思っています。

Engineer

IT業界の課題とSTIができること

ー今のIT業界の課題は何だとお考えですか?

K.T.:色々な課題、想いはありますよね。
私が一つ、日本のIT業界に対して思っていることは、どうしたらもっと世界で戦える会社になり、世界で戦えるサービスを作っていけるのかということですね。

アメリカを始め海外では、ソフトウェア開発は非常にクリエイティビティの高い仕事だという風に思われています。一方、今の日本でのソフトウェア開発はクリエイティブな仕事というよりは、工場生産のフローの考え方をベースに工程がきっちりと切られ、各工程ごとに作業者が異なる細分化された仕事となっています。そして、大手が上流工程を担当し、二次請け・三次請けの企業に業務を発注するという多重請負構造になっているんですよね。だから、下請けとして入る企業の方は決まった通りに作業を「こなす」ということになり、新しいものを創意工夫して「つくる」ことの面白さを感じにくい場合もあると思います。ソフトウェア開発はもっと面白い仕事だと思うので、何とかこの構造を変えられないかという想いはありますね。

M.Y.:そうですよね。

K.T.:そういう事もあって、STI、特にPSSLでは、いわゆる下請けに入って仕事をするというよりはクリエイティブを発揮して、新しいことをやりながら付加価値を与えることで「IT業界の中でなんとか爪痕を残していこう」「唯一無二のポジションを確立しよう」という意識で運営されていっているんです。
ですので、今の自分たちの仕事は好きなんですけれども、日本のIT業界全体でいうと、もうちょっとどうにか向上できないかな…と。

M.Y.:業界全体で言うと、私も同じ課題認識を持っています。
あと、今DX化という言葉が広く認知されて久しいかなと思うんですけど、日本のIT化の目的はいまだに「コストの削減」「効率化」が大半なんですよね。そしてITの維持、開発にかかる費用を“コスト”として見る体質が業界全体としてまだまだあるかなという点は感じています。
コスト削減を目的にしていくと、エンジニアが価値を発揮しきれなくなるので、社会におけるエンジニアの価値も、技術の可能性も上限が付けられてしまうと感じています。
一方で、エンジニアもまた、マインドチェンジというか企業が価値を生み出すためのITをどうやって作っていくか、そこに対してどう貢献していくかっていうことを考えて行動していく必要がある、そういう時代に入っているなと感じています。

ですので、STIとしては「価値を生み出すことができるエンジニア集団」でありたいと思っています。そうすることで、ITの価値、エンジニアの価値も正しく認知されていき、業界としてよりよい社会にもっと貢献していけるのではないかと思います。
IT技術はものすごい可能性を持っていると私は思っていますので、技術が本当に価値を発揮していけるような業界になっていったら素晴らしいことだなと思います。

ーそういったIT業界の中で、STIがどういう役割を担っていけると思いますか?

M.Y.:STIは20年以上オープンソースに力を入れてきている会社ですので、何か提案をしていくときに、この「製品」を導入したいというよりは、そのシステムにとってより適切な「技術」を提案していける会社です。そこはSTIの大きな強みだと思いますし、フラットによりよい技術を提案していける会社としての役割を担っているかなと思います。

K.T.:業界全体を変えていくっていうと、STIは、大手のSIerというわけでもないので、業界に直接働きかけるみたいなことは正直すぐには難しいですよね。ただ先ほど言ったように、多重の請負構造や、エンジニアも「ただプログラマーとして言われたことだけをプログラミングすればいい」かのような構造がある中で、「うちの会社だけはその意識に染まらないように」という想いは持って取り組んでいますかね

要件が定まっていることに対して、自分たちに課せられた責任を自分たちができる範囲で責任を持ってやるというのが、一般のSIerと呼ばれる企業にはよくある認識だろうなぁと思っています。でも万事がそれだと「できることしかしない会社」になってしまう。

お客様と対話をするところから始まり、自分たちのもっている技術を使って、自分たちの良さを発揮しながら物作りをしていく。そういった形で、せめてうちの会社にいる人たちは、構造的な不幸なことにはまらないようにしていく、そういう仕事をしないようにするっていうんですかね。

M.Y.:そうですね。あとは、どうしてもIT業界は作る側の効率重視、売上至上主義になっていきがちですが、PS SLでは売上至上主義ではなく、技術チャレンジを重視しています

「エンジニアとして技術的なチャレンジであるか」「社会的価値があるか」「世の中の役に立つのか」をポイントに、自分たちがどういった仕事をしていくかを考え、案件のご提案をさせていただいています。

ー技術フラッグシップな集団になることで、それらの活動が実現できるということですね。
K.T.さん、M.Y.さん、ありがとうございました!

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