Open source software RHEL ELC / Long Life Add-on
レッドハット製品
特集 · ELC / Long Life Add-on
RHEL Forever
移行できない基幹資産を、止めない。最長14年の延長ライフサイクルと、期限を定めない Long-Life サポートで、RHELを安心して使い続ける。
ーMessage / トップメッセージ
移行できない資産を、止めない
ハードウェアやアプリケーションの都合で、簡単にはアップグレードできない基幹システムがあります。RHEL ELC / Long Life Add-on は、標準10年のライフサイクルを超えて、そうした資産を安全に使い続けるための延長サポートです。2026年に登場した2つの新しいサブスクリプションが、RHELの長期運用を大きく変えます。
- RHEL Extended Life Cycle, Premium(ELC)
- 2026年4月提供開始。メジャーリリースを最長14年サポートし、対象の偶数マイナーは6年に延長。複数の延長サポートを1つの製品型番に統合した単独サブスクリプションです。
- RHEL Long-Life Add-On(LL|通称『RHEL Forever』)
- 2026年7月提供開始。特定のマイナーリリースを、期限を定めることなく契約中はサポート。ELCでもカバーしきれない長期運用を支えます。
ーSubscriptions / サポートレベル
Standard・Premium・ELC の違い
RHELは Standard・Premium・RHEL ELC の3つから選択します。RHEL ELC は、Premium のサポート品質に各種の延長サポートを統合した単独のサブスクリプションです。
| Standard | Premium | RHEL ELC | |
|---|---|---|---|
| サポートのサービスレベル | 標準営業時間 | 標準営業時間に加え、重大度1・2は24×7対応。初回応答は重大度1が1時間、重大度2が2時間 | Premium と同じ |
| メジャーリリースのライフサイクル | 10年 | 10年 | 14年(10年+ELS相当の4年) |
| マイナーリリースのライフサイクル | 全マイナーリリースで6ヶ月 | 偶数マイナーリリースをリリースから2年間(従来のEUS) | x.0以外の偶数マイナーリリースをリリースから6年間(EUSより4年、EEUSより2年長い) |
| Security Select Add-on の購入 | 不可 | 可(TAM必須) | 可(TAM必須) |
| 10年ライフサイクル終了後 | 延長なし | ELC へのアップグレードが必須 | 4年間の延長サポート(ELS相当) |
| 全ライフサイクル終了後 | なし(ELP) | LL Add-on には ELC へのアップグレードが必須 | LL Add-on(特定マイナーリリースが対象) |
※ RHEL ELC は Premium の SLA に EUS/EEUS/AUS/TUS/ELS を統合した単独サブスクリプションです(2026年4月提供開始)。詳細・価格は Red Hat Portal をご確認ください。
RHEL ELC に含まれる延長サポート(旧 Add-on の統合)
RHEL ELC は、Premium のサポート品質(SLA)に、これまで個別に契約していた各種の延長サポート Add-on を1つの製品型番に統合した単独サブスクリプションです。「(EUS 以外の)何らかの延長サポートが必要なら ELC」に統一され、従来は OEM 向けの AMC でのみ提供されていた AUS も ELC で利用できます。
- EUS(Extended Update Support)— 偶数マイナーリリースを、リリースから2年間サポート。段階的にマイナーを1つ飛ばして更新するためのソリューション。
- EEUS(Enhanced Extended Update Support)— EUS 対象のマイナーを、従来の2年から合計4年に延長。RHEL 9 以降が対象(RHEL 8 は対象外)。
- ELS(Extended Life-cycle Support)— 10年ライフサイクル終了後(Extended Life Phase)に、重要なセキュリティ修正・緊急バグ修正を提供。
- AUS(Advanced mission-critical Update Support)— 従来は OEM 向けの AMC でのみ提供されていた延長サポート。ELC で提供対象に。
- TUS(限定的な延長サポート)— 特定業種の利用ケース向けに提供される限定的な延長サポート。
ーLong-Life / RHEL Forever
RHEL Long-Life Add-On(LL Add-on)
2026年7月に提供が始まった、通称『RHEL Forever』。特定のマイナーリリースに対して、ライフサイクル終了後も継続してサポートを受けられる「延長サポートの、さらに延長サポート」です。
ELC でも、さらに延長が必要になるケース
RHEL ELC を契約していても、次の3つのケースではサポート期間が足りなくなります。LL Add-on は、この不足分を年次の Term 更新で埋めます。
- 次のマイナーへ上げられない
- システム稼働後、アプリケーションや認定条件の都合で次のマイナーリリース以降へのアップデートが困難な場合。
- 途中マイナーで6年を超える
- x.2/x.4/x.6/x.8 の途中のマイナーリリースを利用中で、ELC の6年間を超えたサポートが必要な場合。
- 最終マイナーで9年を超える
- x.10 の最終マイナーリリースを利用中で、ELC の9年間を超えたサポートが必要な場合。
契約の前提と価格の考え方
- ELC 契約が前提— LL Add-on の利用には RHEL ELC の契約が必要です(後述の例外を除く)。『Standard + LL』『Premium + LL』という組み合わせはできません。
- 乗り換えで利用可能 — Standard または Premium を利用中の場合は、RHEL ELC に乗り換えることで LL Add-on を利用できます。
- Term 更新 — 価格は Term 1 → Term 2 → Term 3 と上昇し、Term 3 以降の Term n で一定になります(現時点の提供価格)。
- 期限を定めない— 契約が継続している限り、期限を定めることなくサポートが提供されます。
- 対象バージョン(現時点)— RHEL 7.9/8.4・8.6・8.8・8.10/9.2・9.4・9.6・9.8・9.10/10.2・10.4・10.6・10.8・10.10。
ELC が提供されないバージョンの例外パターン
RHEL 7.9/8.4/8.6/8.8 には RHEL ELC が提供されていません。これらのバージョンで LL Add-on を購入する場合は、ELC ではなくRHEL Premiumの保有が条件になります。
| 対象バージョン | これまでの延長サポートの組み合わせ方 | LL Add-on を購入する場合 |
|---|---|---|
| RHEL 7.9 | Standard + ELS/Premium + ELS (この組み合わせは 2029年5月31日まで) |
Premium + RHEL LL |
| RHEL 8.4 / 8.6 / 8.8 | Standard + EUS Add-on/Premium (この組み合わせは 2027年5月31日まで/TUS の提供があるのは 8.8 のみ) |
Premium + RHEL LL |
| RHEL 8.10 / 9.2〜9.10 / 10.2〜10.10 | ELC(延長ライフサイクル) | ELC + RHEL LL |
※ 対象バージョン・提供条件・価格は変更される場合があります。最新の内容は Red Hat Portal または担当営業までご確認ください。
ーLifecycle / バージョン別ライフサイクル
RHEL 7・8・9・10 のライフサイクル
RHELは各メジャーバージョンに10年(フルサポート5年+メンテナンスサポート5年)のライフサイクルを提供します。ELC で最長14年(+4年)まで、さらに Long-Life Add-On で期限を定めず延長できます。
RHEL 7GA 2014標準サポート終了
- メンテナンスサポートは2024年6月30日に終了(標準ライフサイクル終了)。
- ELCは 対象外。延長は 7.9 の Long-Life Add-On で対応し、購入にはRHEL Premiumの保有が必要。
- Standard+ELS/Premium+ELS の組み合わせは2029年5月31日まで。
RHEL 8GA 2019メンテナンス中
- フルサポート2024年5月31日/メンテナンスサポート2029年5月31日(8.10 が最終マイナー)。
- ELC は8.10のみ対象(従来の ELS 相当を4年に延長)。8.10 は最大9年間のサポート(2033年5月31日まで)。
- LL 対象は 8.4/8.6/8.8/8.10。8.4/8.6/8.8 は Premium 保有で購入(〜2027年5月31日)。
RHEL 9GA 2022フルサポート中
- フルサポート2027年5月31日/メンテナンスサポート2032年5月31日。
- ELC 対象は偶数マイナー9.2/9.4/9.6/9.8/9.10。対象マイナーは最大6年、9.10 は最大9年間。RHEL 9 全体で14年間(2036年5月31日まで)。
- LL 対象は 9.2〜9.10(ELC 契約が前提)。
RHEL 10GA 2025最新・新規推奨
- 提供開始2025年5月20日。フルサポート2030年5月31日/メンテナンスサポート2035年5月31日。
- ELC 対象は偶数マイナー10.2/10.4/10.6/10.8/10.10。対象マイナーは最大6年、10.10 は最大9年間。RHEL 10 全体で14年間(2039年5月31日まで)。
- LL 対象は 10.2〜10.10(ELC 契約が前提)。新規システムは RHEL 10 + ELC での計画を推奨。
※ 記載は2026年7月時点の情報です。最新の内容は Red Hat「Red Hat Enterprise Linux のライフサイクル」ページをご確認ください。図は各フェーズの関係を示す模式図です。
ーMinor Releases / マイナーリリース別
マイナーリリース別の対応状況と終了日
マイナーリリースは約6か月ごとに提供されます。ELC の対象は RHEL 9.2 以降の偶数マイナー(9.2/9.4/9.6/9.8/9.10、10.2/10.4/10.6/10.8/10.10)と、RHEL 8 では最終マイナーの 8.10 のみ。ELC は GA から6年、最終マイナー(x.10)は標準10年+ELC 4年で最大9年のサポートとなります。その後は Long-Life Add-On を1年ごとの Term 更新で延長でき、期限を定めずに継続できます。
RHEL 10(GA 2025年5月20日/メンテナンス終了 2035年5月31日)
| マイナー | GA(提供開始) | ELC 終了日 | LL Add-on 開始日 | 備考・レガシー延長サポート |
|---|---|---|---|---|
| 10.0 | 2025年5月20日 | — | — | ELC 対象外。Enhanced EUS(レガシー)は 2029年5月31日まで |
| 10.1 | 2025年11月 | — | — | 提供終了(次マイナーへ) |
| 10.2 | 2026年5月20日 | 2032年5月31日 | 2032年6月1日〜 | 現行マイナー。E4S(レガシー)も提供予定 |
| 10.3 | 2026年11月(予定) | — | — | 標準6か月 |
| 10.4 | 2027年5月(予定) | 2033年5月31日 | 2033年6月1日〜 | レガシー E4S の最終ストリーム |
| 10.5 | 2027年11月(予定) | — | — | 標準6か月 |
| 10.6 | 2028年5月(予定) | 2034年5月31日 | 2034年6月1日〜 | SAP 環境はこの版から ELC を利用 |
| 10.7 | 2028年11月(予定) | — | — | 標準6か月 |
| 10.8 | 2029年5月(予定) | 2035年5月31日 | 2035年6月1日〜 | Enhanced EUS(レガシー)の最終ストリーム |
| 10.9 | 2029年11月(予定) | — | — | 標準6か月 |
| 10.10 | 2030年5月(予定) | 2039年5月31日 | 2039年6月1日〜 | 最終マイナー。メンテナンス 2035年5月31日 + ELC 4年=最大9年 |
RHEL 9(GA 2022年5月18日/メンテナンス終了 2032年5月31日)
| マイナー | GA(提供開始) | ELC 終了日 | LL Add-on 開始日 | 備考・レガシー延長サポート |
|---|---|---|---|---|
| 9.0 | 2022年5月18日 | — | — | ELC 対象外。Enhanced EUS 2026年5月31日まで |
| 9.1 | 2022年11月 | — | — | 提供終了 |
| 9.2 | 2023年5月 | 2029年5月31日 | 2029年6月1日〜 | EUS 2025年5月31日終了/Enhanced EUS・E4S 2027年5月31日 |
| 9.3 | 2023年11月 | — | — | 提供終了 |
| 9.4 | 2024年4月30日 | 2030年4月30日 | 2030年5月1日〜 | EUS 2026年4月30日/Enhanced EUS・E4S 2028年4月30日 |
| 9.5 | 2024年11月 | — | — | 提供終了 |
| 9.6 | 2025年5月 | 2031年5月31日 | 2031年6月1日〜 | EUS 2027年5月31日/Enhanced EUS・E4S 2029年5月31日 |
| 9.7 | 2025年11月 | — | — | 提供終了 |
| 9.8 | 2026年5月20日 | 2032年5月31日 | 2032年6月1日〜 | 現行マイナー。EUS(レガシー)の最終ストリーム |
| 9.9 | 2026年11月(予定) | — | — | 標準6か月 |
| 9.10 | 2027年5月(予定) | 2036年5月31日 | 2036年6月1日〜 | 最終マイナー。メンテナンス 2032年5月31日 + ELC 4年=最大9年 |
RHEL 8(GA 2019年5月7日/メンテナンス終了 2029年5月31日)
| マイナー | GA(提供開始) | ELC 終了日 | LL Add-on 開始日 | 備考・レガシー延長サポート |
|---|---|---|---|---|
| 8.4 | 2021年5月 | — | Premium 保有で購入可 | ELC 非提供。E4S は 2025年5月31日で終了 |
| 8.6 | 2022年5月 | — | Premium 保有で購入可 | ELC 非提供。E4S 2026年5月31日まで |
| 8.8 | 2023年5月 | — | Premium 保有で購入可 | ELC 非提供。EUS 2025年5月31日終了/E4S 2027年5月31日 |
| 8.10 | 2024年5月22日 | 2033年5月31日 | 2033年6月1日〜 | 最終マイナー。メンテナンス 2029年5月31日 → ELC は 2029年6月1日開始(ELS から移行)=最大9年 |
※ RHEL 8 は 8.10 のみが ELC(ELC Premium)の対象です。8.4/8.6/8.8 で Long-Life Add-On を購入する場合は、ELC ではなく RHEL Premium の保有が条件になります(前掲の例外パターンを参照)。
※ 図は各リリースの対応関係を示す模式図です(横軸は半期=6か月刻み、LL は1年ごとの Term)。ELC 終了日は Red Hat が公表する「GA から6年」の考え方に基づき、GA 月の月末で記載しています。将来のマイナーリリースの GA 日および終了日は予定であり、Red Hat も「将来の日付は概算であり変更されうる」としています。確定した日付は Red Hat「Red Hat Enterprise Linux のライフサイクル」ページおよび Red Hat Portal をご確認ください。
出典:Red Hat Enterprise Linux Life Cycle/Legacy Extended Support Offerings(2026年8月時点)。
ーPlanning / 計画と運用
システムのライフサイクルを計画する
ELC と LL は、契約してから慌てて使うものではありません。システムの設計前に ELC を選択しておくことで、サポートを途切れさせずに、柔軟なバージョン選択(アップデート計画)ができるようになります。
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 期間を定義する | 対象システムの「開発開始」「運用開始」「運用終了」を定義する | 運用終了の時期が、必要なサポート期間を決めます。 |
| 2. 最新マイナーで作る | 可能な限り、その時点での最新のマイナーリリースで開発を開始する | 開発着手時点で最新にしておくほど、後段の選択肢が広がります。 |
| 3. x.10 を狙う | 可能であれば x.10(最終マイナー)を使用して運用する | x.10 は最大9年間サポート。最長のライフサイクルを確保できます。 |
| 4. 不足分を LL で埋める | x.10 を使用できない場合は、対象マイナーで必要な LL Add-on の適用期間を検討する | 途中マイナーは ELC で最大6年。それ以降は Term 更新で延長します。 |
運用開始から終了までの3つの型
PATTERN A
最新マイナーで開始 → x.10 で運用
最長のライフサイクルを取りたい場合
開発は着手時点の最新マイナーで始め、運用開始までに x.10 へアップデートしてそのまま運用します。
PATTERN B
最新マイナーで開始 → そのまま運用終了まで
運用期間が ELC の6年に収まる場合
開発時点の偶数マイナーを ELC で6年間維持し、そのまま運用終了を迎えます。
PATTERN C
計画時点の最新マイナーで開始 → LL で延長
6年を超える運用が確定している場合
ELC の期間終了後、LL Add-on の Term 更新でシステム退役までカバーします。
MIGRATION
次期システムへの移行期間を確保する
ELC と LL の併用
RHEL のサポートを継続しながら、新しいシステムの検討時間を十分に確保できます。
ーHow to start / 導入パターン
いまの状態から、どう ELC に入るか
現在の利用状況によって、ELC への入り方は変わります。RHEL 9 を例にした代表的な4パターンです。
| 現在の状況 | ご要望 | 対応 |
|---|---|---|
| ① RHEL 9.6(EUS)を利用中 | そのまま 9.6 の利用を継続したい | ELC へ EUS 対象マイナーはそのまま ELC で延長できます。 |
| ② RHEL 9.2 を利用中 | すでにサポートは終了しているが、9.2 でサポートが欲しい | ELC へ ELC 対象の偶数マイナーであれば、終了後でも延長できます。 |
| ③ RHEL 9.3 を利用中 | 今回 ELC を知ったので使いたい | 適切なマイナーへ更新のうえ ELC 奇数マイナーは対象外のため、まず対象マイナーへ更新します。 |
| ④ ELC 契約後 | 将来のアップデート計画を柔軟にしたい | 任意のタイミングで次の ELC 対象マイナーへ サポートを途切れさせずに移動できます。 |
※ RHEL 10 でも考え方は同じです(対象は 10.2/10.4/10.6/10.8/10.10)。個別の構成は担当営業までご相談ください。
ーSummary / まとめ
適切なサブスクリプションを選び、長期運用を計画する
- まず ELC を選ぶ
- 長期運用には ELC サブスクリプションを選択し、ELC 対象の偶数マイナーリリース(例:10.2/10.4/10.6)を採用して運用計画を立てます。
- 足りない分は LL で延ばす
- ELC でもカバーできない延長サポートが必要な場合は、LL Add-on でサポート期間を延長します。
- 設計前に決めておく
- システムの設計前に ELC を選択しておくことで、サポート期間を途切れさせずに柔軟なバージョン選択が可能になります。
- 移行時間を確保する
- ELC と LL の併用で、次期システムへの移行期間中も RHEL のサポートを継続できます。
関連
既存は延ばす、新規は変える ── RHEL 10 イメージモード
ELC / LL でメンテナンスを継続する傍らで、新システムはイメージモードを標準採用する。RHEL 製品ページで概要をご紹介しています。
※ 本ページの内容は、レッドハット株式会社「『RHEL Forever』が変えるインフラ長期運用」(2026年7月2日版)の公開資料に基づいて作成しています。最新のライフサイクル情報は Red Hat「Red Hat Enterprise Linux のライフサイクル」ページをご確認ください。
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