月間100万PV規模のログ型解析を継承。過去ログ資産を活かした移行事例
長年「サーバーログ解析」を運用の柱とされてきた大手金融機関様の事例です。
UrchinやSiteTrackerといった従来ツールのサポート終了に伴い、最大の懸念となったのは「蓄積された膨大な過去ログの行方」でした。
月間100万PV規模のデータ処理能力を確保しつつ、過去のログ資産を一切無駄にしないシームレスな移行プランをご提案。Matomoへの刷新により、ログ解析ならではの信頼性はそのままに、現代的なインターフェースと高度な分析力を手に入れた革新事例です。
システム構成および導入環境
仮想サーバー上に、Matomo本体および動作に必要な各種ミドルウェアを組み合わせた解析基盤を構築しました。
導入に際しては、弊社技術者がお客様環境へリモートアクセスを行い、ソフトウェアのインストールから設定までを一貫して実施。最終的に、実データに基づいたサンプルログを用いて厳密な動作検証を行い、安定稼働を確認した上でのお引き渡しとなりました。
アクセス解析における主要要件と対応内容
| 要件項目 | 詳細・計測内容 | 活用目的 |
|---|---|---|
| データの保持期間 | 最低25か月以上の保持 | 前年比・長期トレンドの比較分析 |
| サマリー指標 | 合計ユーザー数、セッション数、ページビュー数 | サイト全体のパフォーマンス把握 |
| コンテンツ分析 | 各ページ別のPV、セッション数、平均閲覧時間、離脱率 | コンテンツの評価と改善箇所の特定 |
| プラットフォーム解析 | OS、ブラウザのバージョン情報 | サイトの最適化・表示検証 |
| キーワード解析 | 検索エンジン経由の流入キーワード | ユーザーの検索意図把握・SEO効果測定 |
解析処理の完全自動化を実現
大規模なログ解析を継続する上で最大の課題となるのが、日々のデータ処理工数です。
本プロジェクトでは、ログの取得からレポート生成までの一連のプロセスを完全に自動化し、担当者が分析業務のみに集中できる環境を構築しました。
【自動更新処理のワークフロー】
独自に開発したスクリプトをcron(定期実行処理)に組み込み、毎日決まった時刻に以下のプロセスを自動実行しています。
- ログの自動取得: 外部のWebサーバーからFTP経由で最新のログファイルを安全に取得。
- インポート処理: 取得したログデータをMatomo(旧Piwik)へ迅速にインポート。
- アーカイブ実行: Matomoのアーカイブコマンドを起動し、最新の解析レポートを自動生成。
この自動化により、手作業によるミスや遅延を排除し、常に最新の解析データがダッシュボード上で確認できる体制を整えています。
解析の深化を見据えたハイブリッド運用への展望
お客様はログ型解析による確実なデータ継承を最優先されていますが、同時に将来的な分析の拡張性も重視されています。
Matomoであれば、解析単位を分けることで、サーバーログでは取得が難しい詳細なユーザー挙動(画面解像度やボタンのクリック等)を計測する「タグ型」との並行運用が可能です。
- これまでのログ資産を大切に守りながら、必要に応じて新しい計測手法を柔軟に取り入れていく
- 解析手法を固定せず、サイトの成長に合わせて分析の精度を段階的に高めていきたい
データ活用に対するお客様の前向きな方針が、Matomo選定の決め手となりました。