標準機能にないログ連携を自動化。旧製品の運用をMatomoで完全再現した事例

オンプレミス ログ型

某公益法人のインフラ運用保守を担うお客様(大手情報系企業)は、長年愛用してきた「SiteTracker」のサポート終了に伴い、次期解析ソリューションとしてMatomo(旧Piwik)を選定されました。リプレイスにあたっての最重要テーマは、長年蓄積されたカスタムレポートや業務フローを維持し、極力運用を変えずに移行することでした。

最大の技術的課題は、旧製品では標準装備されていた「Webサーバーからの生ログ転送・取込機能」がMatomoには備わっていない点にありました。このギャップを埋めるため、当社はログの転送からデータベース更新までを一括処理する独自の自動化スクリプトを開発。夜間自動実行を実装することで、旧環境と遜色のないシームレスなログ解析運用を実現しました。

また、バックアップされていた過去の膨大な生ログ資産もすべてMatomoへインポートし、データの中断なき移行を完遂。導入から数年後には、サーバーの老朽化に伴う新環境へのデータ移行も当社が全面的にバックアップしました。ツールの世代交代からその後のライフサイクルまで、お客様の確実な運用を支え続けている事例です。

システム構成および導入環境

お客様にてOSインストール済みのサーバーをご用意いただき、当社にてMatomoの稼働に必要となる各種ミドルウェアの導入、およびMatomo本体の構築を実施しました。

本事例の鍵となる「ログ自動転送・取込スクリプト」の実装を含め、解析業務を滞りなく開始できる環境を整備。お客様が準備されたインフラ環境に対し、Matomoおよび関連ソフトウェアの適切なセットアップを行うことで、旧製品からのスムーズな機能継承と安定した解析運用のスタートを支援しました。

RHEL Apache Matomo MariaDB PHP Python

Matomoサーバー構成スペック(推奨環境の事例)

解析規模としては2,000,000PV/月、データ保持期間は2年、としてMatomoサーバ構築しております。

項目 内容 選定のポイント
CPU 4コア以上 Matomoのレポート生成(アーカイブ処理)はCPU負荷が高いため、最低4コアを確保。多人数で同時に管理画面を利用する場合は8コアを推奨します。
メモリ 8GB 処理を円滑に進めるため、OS(2GB)、PHP(2GB)、データベース(MySQL:4GB)へと各プロセスに最適に配分しています。
ストレージ 160GB 蓄積されるログ用に100GB、DBに36GBを確保。膨大なデータの読み書きが発生するため、SSD等の高速ストレージが不可欠です。

導入時のミドルウェア構成詳細

ハードウェアの性能を最大限に引き出し、Matomoを安定稼働させるために構築したミドルウェア群の構成です。特にログの自動インポート処理を担うPython環境など、本事例の要件に合わせたセットアップを行っています。

項目 バージョン・内容 備考・役割
Webサーバー Apache 2.4 Matomoを動作させるための標準的なWebサーバー環境。
データベース MariaDB 5.5 大規模な解析データを高速に処理・蓄積するデータベース。
PHP PHP 5.5 Matomoのメインプログラムを動作。標準リポジトリ(5.4)を避け、epel/remi等の外部リポジトリを活用して適切なバージョンを導入。
Python 2.6.x または 2.7.x Webサーバーからのログ転送・自動インポートスクリプトを実行するために必須となる環境。
PHP拡張 pdo, mysqli, mbstring等 データベース連携や多言語処理、XMLデータの解析に必要な各種モジュールを網羅。
ジオロケーション GeoIP(無償版) IPアドレスから訪問者の地域情報を特定するためのデータベースを適用。

その他の導入事例