サイオスとともに創る金融ビジネスの第二章

【VOICEs - 社内インタビュー】 サイオス・グループの1つ、Profit Cube, Inc.は、国内で初めて金融機関向けのALM(Asset Liability Management)システムをリリースして以来、そのシステムを継続的に高度化させるとともに従来の枠組みを超えた「ALM3.0(R)」というコンセプトを掲げてリスク管理・収益管理・マーケティングなどを網羅するソリューションの集合体を形成しています。それぞれの特長、サイオステクノロジーとのシナジー効果やFinTech領域を含む今後の展開について、同社代表取締役CEO 近藤進一に訊きました。

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3つの柱でビジネスを展開

Profit Cube, Inc.(以下、PCI)は、金融機関向けに提供する「金融システム事業」「信用情報システム事業」、ならびに一般企業向けの「企業財務系ソリューション事業」の3つの柱を軸にビジネスを展開しています。社員は私を含めて金融業務に精通した者が多く、さらに金融工学の専門家やシステムの上流工程を担えるエンジニアや運用支援を行えるコンサルタントを擁しています。金融に関する「業務」と「システム」双方に通じたきめ細かなご支援を特色として、技術的なシステムインテグレーションや運用サポートに留まらず、お客様の経営力向上に資する課題解決に直接貢献してきました。2015年10月にサイオス・グループに加わったことで、お客様に対してさらに魅力ある提案が可能になっています。

-まずは柱となる3つの事業に関して、それぞれ特長をお聞かせください。

それでは、金融システム事業からご紹介します。こちらは金融機関向けに提供するALM/リスク管理ソリューションを中心に事業を展開しています。ALM(Asset Liability Management)は一般には耳慣れない言葉かもしれませんが、金融機関が資産・負債を総合的に管理する手法として80年代に米国で生まれた考え方です。当社はこの管理手法の実践を支援するシステムを開発し、金融自由化後の日本市場で主に地方銀行や信用金庫など地域経済を支える中核的な金融機関に、数多く採用を頂いております。このシステムは継続的に進化しており、現在は「ALM3.0(R)」という新たなコンセプトのもと、ALM、リスク管理、全社収益管理、営業店収益管理、マーケティング、時価開示などに必要なデータを統合データベースで一元管理し、金融機関の全社経営戦略を営業現場の活動に容易に反映できる仕組みを持っています。なお、各機能はいずれもモジュール化されており、事業展開に応じてコアコンポーネントに柔軟に追加することができます。そうしたモジュールの一つに、様々な前提条件に基づいて金融機関の将来キャッシュフローを精緻にシミュレーションできる機能があり、こちらは新たなビジネス創出を支援していく経営の羅針盤のような役割を果たします。

PCIが提唱する「ALM3.0」の概念図

またシステム全体は、FISCに準拠したセキュリティ機能を装備しており、金融機関の厳格な内部統制にも応えられる仕様となっています。

次に、信用情報システム事業においては、「信用情報照会サービス」というゲートウェイ・サービスを提供しています。日本で運営される個人信用情報機関(KSC、CIC、JICC)はいずれも独立した機関であるため、その情報体系や内容、取得方法、運用ルールなどがまったく異なります。そのため、加盟会員が各々の個人信用情報機関の仕様を理解し、随時対応していくには専門的な知識や多くの労力を必要とします。金融機関等が与信に必要とする個人信用情報を、個人信用情報機関独自の仕様に悩まされず容易に取得できるようにするため、お客様からご要望の高かったデータクレンジング機能や簡易審査機能を加味して開発されたのがPCIの個人信用情報照会システム「e-Acris」です。本シリーズは20年以上の歴史を持つ実績豊富なパッケージソフトウェアの1つで、改正貸金業法および改正割賦販売法などの法改正や個人信用情報機関のシステム更改に対応して随時バージョンアップを重ねています。

データクレンジング機能や簡易審査機能を備えた個人信用情報照会システム「e-Acris」

最新版の「e-AcrisⅢ plus」は、上位のシステムや各個人信用情報機関とのやり取りを担う中核的な基本コンポーネントおよび、その機能を拡充する様々なオプションから構成され、お客様の事業展開に応じた柔軟な導入と運用をサポートします。

3つめが、企業財務系ソリューション事業です。その一つを担うのが「財務統合管理システム(Fusion)」です。Fusionは、30年近くにわたって全国の銀行、信用金庫に提供してきたALMシステムで得たノウハウが活かされており、国内外でビジネスを拡大する一般事業法人様向けに開発したクラウドベースの財務統合管理システムです。有価証券、借入金、貸付金、営業債権/債務、CMS連携、会計システムI/F等、お客様の資金管理ニーズに応じた選択が可能となっており、世界各国に拠点を構えるグループ企業などにおけるグローバルキャッシュマネジメント(資金管理)の推進をサポートします。

すでにERPをご利用のお客様は、その中に蓄えられたデータを本システムで集計・分析することで、グループ拠点ごとの資産・負債管理の可視化、グループ全体で保有する有価証券や貸付・借入に関する将来的な利回りのシミュレーション予測などが可能です。

ALMシステムで培った知見を活かして開発された財務統合管理システム「Fusion」

こちらの経営管理システムもALMシステムと同様、一つのデータベースおよびコアコンポーネント上にモジュールを追加していく仕組みです。財務業務におけるコンプライアンス対応のために監査機能を強化するほか、今後はSaaS形式での提供も検討しています。

エンジニアや金融工学の専門家がニーズを先取りした製品を開発

― PCIの歩みと社風について教えてください。

当社の強みが、金融業務とシステムの両方に精通している点にあると申し上げました。もともと当社は、1984年に創業した会社ですが、様々な製品や技術力を持つ有力企業とのいくつかの経営統合などを経て現在に至ります。創業から約30年が経つものの設立当時のベンチャースピリットを色濃く残しており、お客様のニーズを先取りする先進的な製品開発に特色を有しています。
近年、金融業を取り巻く内外の市場環境は大きく変化しています。その一つはグローバル化です。私どもも、国内の法制度のみならず、バーゼル規制や国際会計基準(IFRS)の進展に合わせて、金融工学の専門家の手により、ソフトウェアを進化させてきました。

また、マイナス金利の出現によって経営環境が厳しさを増す中、各金融機関にはリスク管理だけでなく、収益性の向上も求められるようになっています。我が国の金融政策が大きく転換する中で、いかにしてお客様との関係を良好に育んでいくか。個人のお客様だけでなく、地域の企業ニーズを把握して産業の活性化や企業のマッチング支援などをどのようにして進めるか。そこでは、データを活用したマーケティングやコンサルティングサービスが重要になっています。当社のシステムは、そのための判断材料となるさまざまなデータ分析機能を提供します。収益と表裏一体であるリスクをいかに的確に見極めるか。ここに私たちのシステムに蓄えられたデータの活用余地が多くあるといえます。

たとえば、当社のALMシステムは、科目別ではなく明細レベルのデータをコアコンポーネントで管理していることで、各モジュールにおいて異なる部署の人が様々な切り口で分析を行い、それぞれの業務に生かすことができます。また、「営業企画部では2月末時点のデータを見たい」「来期の予算を作る経営企画部は3月末基準でデータを集計したい」といった時系列をずらした集計・分析も可能です。これによって金融機関の全社戦略を各現場で推進することが可能になるのです。

― サイオステクノロジーとのシナジーはどのようなところに期待されているでしょうか。

システム基盤部分のクラウド化、OSSミドルウェアの活用、金融マーケティングを支援する顧客分析への機械学習技術、といった先端技術の適用などで相乗効果が得られると考えています。とりわけFinTech分野では、サイオスとPCI両社の経験を融合することでより新たな価値を提供していきたい、お客様のご期待にお応えしたいと考えています。  

データから価値を生みだす"FinTech"

― いまご指摘になったFinTechですが、ニュースやネットで見聞きする機会が増えました。サイオスにおいてもこの分野に注力する戦略だということですが、どのような形を目指しているのでしょうか。

私はかつて、ニューヨークやロンドンなど計12年にわたって海外での勤務に従事しましたが、金融業そのものの考え方が日本と欧米で大きく異なることをよく心得ています。これはFinTechで注目される「決済」においても同様です。お客様のお金に対する考え方も国によって随分と異なっています。海外の考え方をそのまま単純に日本市場に当てはめるのには注意が必要でしょう。少なくともいえるのは、日本には日本に適した"FinTech"があるはずということです。日本では私たち自身が戦略的に創造しなければならないものだと考えています。PCIとして何がそこに貢献できるのか。いままだ研究開発の途中なのではっきりとは申し上げられませんが、1つのイメージは、地場の金融機関と一緒になって新しい世界を切り開いていくような取り組みです。先ほど、信用情報照会システムの与信情報における信用分析モデルに触れましたが、金融機関には、非常に多くのデータが眠っている状態です。これらのデータから価値をどう生み出していくか、がポイントの1つになると考えています。

口座にお金を預けてくれるお客様がどういう属性を持ち、どんな要望を持っているのか。それに対してどのような金融商品やサービスを提供すれば響くのか。ビッグデータを活用し、より科学的で精緻なマーケティングを行う段階に入ってきています。ALMが心臓だとすると、頭脳として機械学習などの技術を活用したコンサルテーションが必要になってくるでしょう。ここにもサイオスとのシナジー効果があると考えています。

全国各地で人口減少や産業の衰退が課題となる中、我が国では現在、国を挙げて地方創生に取り組んでいます。金融機関自身もデータを活用しながら適正なリスクを取り、地域にリスクマネーを供給していく役割を果たすことがこれまで以上に求められています。
FinTechについて当社は、既存事業の延長線上に地に足を付けた取り組みを行っていきたいと思います。そして地域を支える金融機関とともに、日本の金融第二章を切り開きたいと考えています。どうぞ、ご期待ください。


近藤進一(Shinichi Kondo)
Profit Cube, Inc.
代表取締役CEO

銀行業界に30数年、国内外でリスク管理関連業務に従事。最後の4年間は郵政民営化に参画し、内部統制などのプロジェクトに取り組んだ。

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