〔Vol.2〕スクリプトレスでサービスの起動停止や監視を行うQuick Service Protection

【VOICEs – 技術解説インタビュー】HAクラスターソフトウェア「LifeKeeper for Linux v9.1」の新機能の1つ「Quick Service Protection」。クラスターシステム構築の容易性を追求したこの機能について、開発元のサイオステクノロジーBC事業企画部BC事業企画グループの五十嵐 久理、小野寺 章が連載第1回に続いて解説します。

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任意のサービスをクリックするだけで、クラスターを構築

― 前回記事(連載第1回)では、2016年8月に出荷予定のLifeKeeper for Linux v9.1に、新たな2つの機能が提供されることが紹介されました。今回はその1つである「Quick Service Protection」(以下、QSP)について詳しく話を聞かせてください。ビジネス・社会基盤を支えるHAクラスターソフトウェアの要件(柔軟性や敏捷性)が高度化していますが、そもそもこれまでLifeKeeperは、どのような手順で導入がなされていたのでしょうか。

小野寺:一般にHAクラスターソフトウェアでは、HAシステムの構築フェーズにおいて経験と専門的なスキルが求められるスクリプト作成が必要となります。言い換えますと、それらが不要になることで、クラスターシステムの環境作成に要する工数削減、およびクラウド環境におけるシステム展開をスピードアップすることが可能になる、といえます。

「Quick Service Protection(QSP)」では、GUI上でのマウス操作により、Linux上で動作する一般的なサービスをLifeKeeperの保護対象とすることができます。これにより、クラスターシステム構築がより容易になります。

― Linux上で動作する一般的なサービスとは、どのようなものでしょうか。

小野寺:Linuxのserviceコマンド、またはsystemdが導入されたディストリビューションの場合にはsystemctlコマンドで起動(start)や停止(stop)、監視(status)ができる任意のサービスとなります。QSP のGUIにそれらのサービスがリストで一覧表示されるので、そこから監視を行いたいサービスをマウスによるクリック操作で選択するだけで保護リソースを作成することができます。

五十嵐:LifeKeeperはもともと、メジャーなデータベース製品やWebサーバーなどについては、Application Recovery Kit(以下、ARK)を提供しており、簡単にクラスター環境を構築していただくことができます。ただし、新しい商用製品やOSSが次々と登場してくる中で、すべてのアプリケーションをARKでカバーできるわけではありませんでした。

その場合は、Generic ARKという、一種の汎用的なフレームワークを提供し、お客様独自にクラスターシステムを構築していく方法をご用意していました。Generic ARKでは、いくつかのスクリプトを作って頂ければ、任意のアプリケーションをLifeKeeperの保護対象に加えることが可能です。スクリプトの作り方次第で条件分岐などの複雑なロジックを実装することできます。

ただ一方で、「シンプルな監視や起動停止の操作だけでよいから、スクリプトを記述する手間も極力省きたい」というニーズもありました。

サイオステクノロジー BC事業企画部 BC事業企画グループ グループマネージャー 五十嵐 久理(左)と、同グループ エバンジェリストの小野寺 章(右)

ARK、GenericARK、QSPを適材適所で活用する

小野寺:このニーズに応えるのがご紹介したQSPという機能です。これまでサイオスやパートナー企業がスクリプトをカスタマイズしてご提供することもあったのですが、それでは時間がかかり、ビジネスのスピードアップが困難です。QSPはそのハードルを下げるための機能です。

QSPは、既存のARKやGeneric ARKと、どのような関係にあるのでしょうか。

小野寺:下記の図をご覧ください。それぞれ得意とするところが異なることがお分かりになると思います。3つは互いに補完・共存関係にあるのでお客様の目的や用途に併せて適材適所で活用いただくことができると考えています。

Quick Service ProtectionQSP)とその他機能の棲み分け

ARKは、スクリプトを変更することはできませんが、「このシステムであればこのレベルの監視で可用性は十分担保できる」という長年LifeKeeperの開発・提供で培ってきたノウハウが盛り込まれているので安心です。

QSPでは、起動(start)、停止(stop)、監視(status)処理で呼び出される各スクリプトは対象となるサービスやソフトウェアパッケージが提供するものをそのまま使用するため、この部分の不具合対応、監視内容の変更などはサポート対象外となりますが、ご自身でスクリプトを作成することなくサービスの保護ができることが大きなメリットです。

なお、お客様独自の監視内容を適用したい場合はこれまでどおりGeneric ARKでの対応が適しています。

五十嵐:これまでも、LifeKeeperはクラスター環境をGUIからの簡単な操作で構築できることが大きな特徴でした。QSPはこの容易性をさらに推し進め、より幅広い層のお客様にLifeKeeperを活用していただく道を拓きます。それによりバックグラウンドが異なる人材がコラボレーションするビジネスの広域化・国際化やスピードアップに貢献したいと考えています。

また、パートナー企業であるSIerにとっても、クラスター構築の効率化により、そのリソースをより付加価値の高い顧客提案などに割り当てて頂くことで、自社の競争力強化に役立ててもらえるものと自負しています。

ユーザー、パートナー企業それぞれにメリットを提供する「Quick Service Protection」。次回は、運用性を高めるv9.1の2つめの新機能「LifeKeeper APIs」の特長を解説します。

記事の関連情報

LifeKeeper for Linux v9.1プレスリリース(2016年6月29日発表)
〔Vol.1〕HAクラスターシステムの構築効率と運用性を高めるLifeKeeper for Linux v9.1(2016年6月29日公開)
LifeKeeper/DataKeeperについて詳しくはこちらをご覧ください。
LifeKeeper for Linux v9体験版がダウンロードできるサイトはこちらです。

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