事例で学ぶAPIビジネス ~「APIエコノミー友の会」イベント開催報告

【イベントレポート】サイオスが創立メンバーに加わる「APIエコノミー友の会」では、APIから生まれる新しいビジネスの拡大やエコシステムづくりを目指して情報提供と情報交換の場を設けています。2017年4月4日には、サイオス本社にて第1回目のイベントが開催されました。本稿ではAPIエコノミー推進部長 二瓶司のセッションを中心に内容をダイジェストでお伝えします。

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APIエコノミーが拡大する米国市場

「APIエコノミー」という言葉をWebメディアなどで頻繁に見かけるようになりました。

API(Application Programming Interface)はコンピューター上のプログラムが提供する機能やサービスを他のプログラムから利用する仕様や手続き、というこれまでの技術的な文脈を超え、新たな企業間の取引や経済圏を生み出す可能性を秘めたビジネスの側面から注目されています。たとえば、Uberなどの新興企業の登場を可能にした背景には、新規ビジネスモデルを比較的短期間にIT基盤上に実現するAPIエコノミーの特長すなわち、オープン・イノベーションのアプローチが指摘されます。

サイオスのAPIエコノミー推進部長 二瓶司は、「すでに米国ではAPIがかなりコモディティ化しています」と述べ、いくつかの具体例を挙げました。

スマホやタブレットなどの様々なデバイスに動画配信サービスを提供するNetflixはデバイスメーカーにシステム結合の仕様を開示することで視聴できる対応端末を増やし、ライバル会社に差をつけました。また、コンピューター予約システムであるSabre(セーバー)も自らAPIの仕様を公開し、KLM(オランダ航空)やルフトハンザ航空はシステム本体を自社開発せず、Sabreを利用することで大幅なコストダウンを図り、経営リソースをビジネスのコア領域にシフトしています。さらにコカ・コーラ社も、自社の販売管理システムのAPIを各ボトラーに公開し、それを経由して各ボトラーから販売データを入手して飲料の生産計画に反映しています。

「これらは一例にすぎません。関連してさまざまなAPIマネジメントツールも登場しています。このような米国の活発な動きに比べると日本のAPIエコノミー市場はかなり後塵を拝しています」と二瓶は、いくつかの課題を挙げました。

「APIエコノミー構築の現状と経済圏拡大に向けた課題」と題して講演したサイオステクノロジーのAPIエコノミー推進部長 二瓶司

「まず社外のサードパーティが提供するサービスやデータ資産を割り切って使うことに慣れていないことが挙げられます。また、使おうとしても、そうしたサービスやデータを提供するシステムを効率よく探せるマーケットプレイスなどの仕組みが見当たりません。併せて、参考にできるロールモデルとなるビジネスが国内に乏しく、企業として投資判断を下しにくいことも一因にあります。APIエコノミーは一般に段階的に発展しますが、成長する上でとりわけ大事な初期フェーズにおけるサービスの販路開拓やマネタイズが難しいといわれます。これに付随してAPIエコノミー構築運用支援のコンサルティングやコーディネーター人材も不足しています」(二瓶)

APIビジネスにいち早く取り組む日本企業が知見を披露

ただ、そうした中でも、新しい領域にチャレンジする企業は日本でも出始めています。本イベントでは先行する国内事例を当事者に語っていただきました。

ヴァル研究所 開発部プラットフォームチーム リーダー 見川 孝太氏は、2010年にサービスインした路線検索を可能にする「駅すぱあとWebサービス」がどのような目的で開発され、社内で承認を受けてサービス提供に至ったかという経緯を説明しました。当初スモールスタートでしたが、利用ニーズの高まりを受けてスケールアップやスコープの拡大が必要になりました。社内を説得するため、APIビジネスがもたらす新たな機会創出や投資対効果の見通しを同社のマネジメント層に提案し、予算を獲得しました。現在、ヴァル研究所ではクラウドサービスやAPIマネジメントツールなどは外部のリソースを効果的に活用してAPIサービス提供のコアにリソースを集中することで、新たな事業の柱とするべくビジネスを展開中です。

また、スマートホームサービスである「インテリジェントホーム」を2015年からCATV事業会社のイッツコムと共同で展開するコネクテッドデザインの企画開発部 マネージャー 林田丈裕氏は、家電の遠隔操作、ドアの開錠確認、家族の見守りなどのさまざまなサービスを提供するAPIやデータを統合する仕組みについて説明しました。IoTでライフスタイルを変えるうえでAPIエコノミーが欠かせないこと、そして一社では実現できないことから共創を呼びかけました。

本イベントではさらに、マルチクラウド戦略を打ち出すNHNテコラスのデータホテル事業本部 プロジェクトコーディネーターである府川 旭氏が、APIエコノミーのビジネスモデルとAPIマネジメントツール選定のポイントを説明しました。

最後に、OSSのAPIマネジメントツールであるKongをサポートするブリスコラのマーケティング統括本部 ディレクター 中井 雅也氏が、福島県会津若松市で実証実験中のIoTヘルスケアプラットフォーム事業の内容や課題、今後の展望について解説しました。

参加者の交流を促すAPIエコノミー友の会にぜひ参加ください

「ビジネスのコア領域に集中する」「新たなイノベーションをもたらす」――。APIを利用したり、提供したりする取引をきっかけに、オープンなAPIエコノミーに参加する企業が日本でも次第に増えてきそうです。

APIエコノミー友の会では今後もこうした活動を後押しするべく、さまざまなイベントを企画・開催していく予定です。どうぞご期待ください!

【イベント開催のご案内】来る4月27日(木)には、レッドハット社主催で「デジタル変革を実現するAPI活用の先端事例」が開催されます。サイオスAPIエコノミー推進部長の二瓶司も講演します。ぜひご参加ください。お申し込みは、こちらからどうぞ ⇒ https://connpass.com/event/53575/

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